久しぶりの自宅

一週間以上家を留守にしていた。マンションに着き、郵便箱から郵便物を取り、エレベーターで上がる。昼間のマンションは人気が無く、ガランとしていて、自分の足音がやけに響く。

家のドアを開けると、外とは明らかに違う匂いがする。こんな、匂いだっけ?という違和感に戸惑う。

誰もいない部屋に、ただいまー、と言ってみる。

部屋の中は、見慣れた光景ではありながら、少しずつ、色々なものが変わっていて、あぁ、暫く留守にしていたんだな、と改めて思う。

座卓の配置がずれていたり、ドッサリ買ったお菓子の大半が無くなっていたり、大量のコップが流しに置かれていたり、冷蔵庫の茄子が腐っていたり。

私がいない間の、夫の生活の息吹が感じられ、その気配に何だか胸が切なくなる。私のいない家で一人で起居していたんだなぁ、と。

なんて、思っていたら、何だか涙が出てきた。今日夫が帰ってきたら、また何だか嬉しくて涙が出るに違いない。

夫婦生活とは、きっとそういうものなのだろうな、と思う。

能天気な夫は別に何とも思ってないだろうけど。