RIZE

異動してからの残業三昧に体が疲弊し、活動という活動を嫌気する自分がおり、天気が芳しくないことにも付け込み、こないだの三連休は読者三昧、DVD鑑賞三昧となった。

たかのてるこ著の「キューバでアミーゴ」を読むにあたり、一気にダンスボルテージが上がった為、ブエナビスタソシアルクラブを借りに、ゲオへまっしぐら。キューバでは、親しい人とはハグとキスを交わし、気分が高揚すれば誰彼ともなく踊り出し、アガペーを放出することに遺憾ない。社会主義国であり、最低限の生活保証の前提として、みな給料が一律だというからに、頑張って自分の給料を上げるという面倒に煩わされることなく「その日その時をいかに楽しむか」という点を最重要視することが可能な環境である。故に打算なく恋愛し、結婚し、離婚する。今やるべきことを完遂するという日本人的な考え方とは真逆の思想にて、価値観の違いに視野が広がる思いをいたすばかり。

また、一方で「Rize」というDVDを見た。アフリカンアメリカンが体の全てで自分の全てを表現するダンスの話。クランプとストリッパーダンス。Ms.Prissyがとにかく凄い。DVDには「本編中の映像は一切早送りをしておりません」と注意書きが記されている程動きがキレキレ。伝え切れない言葉、報われない思い、理不尽さへの悲憤を、踊りという形でほとばしらせる。時には喧嘩に見えるほどの暴力性をもって。時には失神するほどの激しさをもって。

踊りというものと戦いというものの性質がこんなにも似通っているのか、と気付かされた。