凝り

肩甲骨から後頭部にかけての凝りがとれず、上半身が胸像の様になってから三年くらい経つ。最初は「若いのにすごい凝ってますね」と笑われていたのだが、今では「反発しないほど浸み込んじゃってますね」と同情をされる始末。触られる感覚も鈍くなった。

感性も然り。自分の感情や考えを発しない環境に長くいたせいで、感じる心自体が機能不全に陥っている。久々に茨木のりこの詩を読んでみたい。ね、じゃば。

「自分の感受性くらい」

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

「自分の感受性くらい」(昭和52)所収