キュウシンください

バンクーバーに着いて早々、6時に起きてカルガリーへ飛んだ。次の日は4時40分に起きてシカゴに飛んで、すぐまたカナダに戻ってきた。次の日は4時45分に起きてバンクーバーに戻り、残業して仕事を終わらせた。死ぬんじゃないかと思った。

出張に行っていつも不便に思うことは毎日違う時差を換算して目覚ましをセットしなければならないことだ。酔っぱらった頭でそんな計算ができるか阿呆と訴えたい。

昨日はオフィスからホテルに帰る道のちょうど真ん中で、一歩も動けなくなりそうになった。一度足を止めたら動けなくなりそうだったのだが、逆に頑張って歩いたら翌朝心臓麻痺で死ぬと思ったので、足以外の部分の力を抜いてゆらりゆらりと帰っていった。顔の表情はまるで浮浪者のようにだらしなく、髪の毛は山姥のようにボサボサだったに違いない。

ホテルに辿り着いて早々ベッドに倒れ込み、明日の朝にでも心臓麻痺で死んでしまいそうだとママに泣きを入れた。一時間位うだうだ文句を言ってたらお腹が空いたので、ホテルの近くのSUBWAYに行くことにした。

レジのお兄さんが日本人かと話しかけてきたから、なけなしの体力を振り絞って話に注力していたら、お釣りをもらったかどうかわからなくなった。(お釣りをくれ)と言おうとしたが、きっともらっているに違いないと思ったので、やめた。席でこっそりお財布を覗いたら見たことのない種類のお札が入っていたのでお釣りはちゃんともらっていたようだ。全く油断も隙もない。それ程疲れが溜まっているということである。

今日は漸く土曜日で換算12時間くらいベッドにいた。本当は家を探さなくてはならなかったのだが、ホテルのTVで誤って有料映画をクリックしてしまったので子供向け映画を一本見ざるを得なかった。有料であることを一度も聞かれなかったことに憤慨したが、うっかりアダルトサイトを押さなくて良かったと思った。きっと悔やんでも悔やみきれない。

その後少し町を散策した。下り坂を歩きながら、帰りは上り坂となることを意識しながら歩いた。12時間も寝たのでさすがに心臓のバクバクは収まっていたが、やはり登り道はさすがに疲れた。それ程疲れが溜まっているということである。

今日は関係者がパーティーを開催してくれたので、ゴルフ場のラウンジに昼飯を食べに行った。カラリと乾いた少し冷たい空気の中、気分よくワインとシャンディガフを飲んだ。調子にのって飲みすぎた。お陰で心臓のバクバクが戻ってきた。

誰かキュウシン下さい。