漂流

何に流されているのか分からないのだが、漂流して久しい時が流れてしまい、あさって私は三十二歳になる。

夜中の2時まで夢中で本を読んでいたら、ここが何処だか分からなくなり、外のバイクの音も郵便配達の音かと錯覚してしまった。

ここはバンクーバーで明日も朝っぱらから東京に突き上げられて仕事をすることになるのは目に見えている。

自分の意志で自分の在り方を考えなくなったのはいつからだろうかとふと考えてみる。考えなくなったのではなく、もとから考えたことがなかったのかもしれない。

だったら、今から始めればいいじゃないかと鼓舞するものの、時間に追われて何も出来ていない。もう少し普通な生活がしてみたい。自分の時間があまりにも少ない。

バンクーバーに来ることになるとは思ってもなかった。

兎に角明日は、東京からのメールが殆どありませんように。神様お願いします。